【フリーランス人生】④挫折だらけのアシスタント時代 -スタジオマン編-

カメラマンへの道のり

 

 

カメラマンになる為のアシスタント時代は、ブログで記載するのが
恥ずかしいけど、何度か挫折をしてる。

前回の③とかぶっている文章もありますが、アシスタント時代・スタジオマン編として、
さらに詳しく記載してみました。また、実際に撮影現場で働きながら、写真の勉強もして
いたので、その勉強とは何かを書いていますので、どうぞ参考にしてみてください。

 

今思えば、修行という環境の苦しみにも耐え、もっと真剣に勉強をしておけば、僕の場合、
この業界に入った時期が早かった分、カメラマンとしての独立も早かったのだろうけど、若
さゆえとでもいうのかな。。。始まりが早かった分、っ途中誘惑による挫折も多かったね。

挫折して遊んでしまった時間の分だけ、カメラマンとして独立するまでの遠回りはしたけれど、
それはそれで、時間を無駄にしたとは思ってない。
それなりに、知り合いも増えたし、違った意味での勉強もできたし。

結果、カメラマンとして活動できてるんだから、結果ヨシじゃん。笑
まぁとにかく、色々あったけど、後悔はしていない。後悔しても始まらないからさ。

 

 

 

#1 学校で、写真の基礎を学ぶ。 

→ 行ってない。

元々、カメラマンって職業はうさん臭いって思っていたから、学校に行くなんて
気持ちは全くなかったし、考えたこともなかった。でも後に、写真学校を卒業し
ている人たちと働くようになり、基本的な知識レベルは、学校に入っていない僕
とは、比べ物にならないくらい高かった。当たり前のことだけどね。学校に行って
いればまた、この世界の見え方が違ってたのかなと正直感じた。

でも一つ。
学校に行っている人よりも、早く現場を見て、そして現場で学んでいたという事が
強みでもあった。

 

ここでどちらがいいのか。。。

・ 写真学校で、基礎を学んだ後、現場で実践を出て学ぶ。

・写真学校で学ぶ事は、独学(書籍)で学びながら、現場で実践を学ぶ。

それはどちらとも言えないけど、学校では教科書があり、それに沿っていろいろと
教えてもらいながら勉強ができる。

でも教科書があるなら、独学で写真の基礎を学びながら、現場で実践。
これが一番近道なのかなとも思う。

実際には、僕は学校に行っていないので、僕は何とも言えませんね。
どちらがいいか、ご自身で調べてみてください。

日本写真芸術専門学校
https://npi.ac.jp/

 

東京綜合写真専門学校
https://tcp.ac.jp/

 

専門学校で資料を請求してみるのも、オリエンテーションがあれば、
参加してみるのもいいかもしれませんね。

 

僕と同じで、現場で実践!っていく方は、

東京都内写真スタジオ求人 で検索してみるのもいいですね。
でもここで慎重に選ばなければなりません。

応募する写真スタジオは、どんな分野のカメラマンが使用しているか。

これは必須です。
自分が目指す分野でない撮影ばかりに携わっていても時間の無駄になります。

僕の働いたアートセンタースタジオは、雑誌撮影が多く、ファッションカタログから
タレント撮影まで幅広い分野のカメラマンが使うスタジオだったので、かなり勉強
になりました。

 

#2 貸しスタジオで、撮影現場を学ぶ。

 

→ 残業200時間/月とか当たり前の世界。

 

今だったら、完全にアウトのブラック企業!笑笑
スタジオの場所は六本木。

岡山から出てきて、半年後には六本木にあるスタジオで働き始めたから、
やっぱり遊びたくなりますよね。
そういうことで当時は、よくディスコに行きました。っていうか、スタジオの終わる
時間といえば夜中だから、その時間から遊べるのは、ディスコしかなかったです。

夜中の0:00くらいに終わってから遊びに行く。
当時は、横浜(青葉台)から六本木に通っていたから、23時過ぎたら終電に間に
合わない。だからほとんどスタジオに寝泊まっていましてたね。スタジオには寮が
あったんだけど、なんか汚くて(笑笑) 寝る気がしなかったから、いつもスタジオで、
カポック(ハッポースチロールでできた反射板レフ)を倒して、そこに寝てたので、
何もない時は、遊びに行ってましたね。

でも、いつもディスコに行っていたら金が大変。
当時入場料だけで、3000円~5000円してたっけかな。そこまで当時は、お金を
払えないので、撮影で知り合ったモデルの子たちにお願いして、中にに入るまで一
緒に行ってました。笑笑
当時は、モデルの子たちはみんな、モデル所属のIDカード(身分証明証)をみんな持
っていたんです。それをディスコのフロントで見せれば、同伴者も無料で入れたんです。
確か、ドリンク兼3枚くらいついてたかな。

残業時間も長く、仕事に追われる日々だったけど、たまに、こうして遊ぶのも楽しかった。

写真スタジオの1日業務

AM 8:30  掃除開始。
AM 8:45  朝礼

チーフデスクにある、その日のスケジュールを見て、自分の担当スタジオを確認。

担当するスタジオの準備。
例えば、1スタジオ担当だった場合、1スタジオに入っている撮影がすべて終わるまで
仕事は終われない。まt、スタジオマン指名で入ることもあるので、AM 8:30  掃除開始
から始まり、夕方6時や7時に帰れるなんてまずありえない。

仕事が終わる平均時刻は、大体9:00PM ~10:00PMくらいだったかな。
普通に12時間超え勤務で終われば、早いほう。

スタジオすべての撮影が終了したら、スタジオを片付けて、最後に、写真を撮るバック
グランドが白壁(しろほりという)を、水性ペイントで塗るまでがスタジオ業務。
大体、撮影が終わってから、1時間半~2時間最後の掃除で時間がかかるんだよね。

ここまでがスタジオでの業務。

スタジオでの仕事内容は

スタイリスト、ヘアメイクさんの荷物運び

カメラマンの機材運び

カメラマンの指示を聞きライティングのセット
 これが一番ここで働きながら勉強ができるポイントです。
これを勉強したことは、カメラマン人生の最大のプラスになること間違いなしです。

・雑用

フィルム交換

撮影データと現像所指示用のデータ記載作業

全てスタジオ内の雑務を1人でこなす。他社のスタジオでは、スタジオに担当2人付くことが
普通でしたが、僕のいたアートセンターでは、1人がスタイルでした。

 

業務の中には、ローテーションで回ってくる”玄関番” と言う業務がある。これが大変な
んだよね。玄関番の仕事は結構ハードだから、何かをやらかしてペナルティーとして

1週間”玄関番”!!

ってといった感じで割り当てられる、ハズレ業務。

 

 

玄関番の仕事内容AM 8:30〜PM11:00が勤務時間 (14時間半労働ね) 笑笑

玄関番の業務はいろいろとやることが多い。

・スタジオ入り口玄関のスリッパを常に揃える。
お客の履物もそろえる。

スタジオ利用者が来たら、荷物を持ちスタジオへ案内

・車の誘導

修了時間が押したスタジオの、撤収ヘルプ
 各スタジオの開始時間・終了時間を把握しておかなければだめ。

・仕事のあいまに、先輩たちのユニフォームの洗濯

寮の掃除

スタジオ別館が、近くにいくつかあったので、お昼前に社員弁当をチャリで配達。
 社員食堂が本館にあるので、そこから別館のスタジオを担当しているスタッフに
弁当を配達します。

スタジオ別館で、足りない機材が発生した場合、本館から機材を持っていきます。
歩きや、チャリで持っていくんだけど、これが嫌だったなぁ。六本木の街を機材持って
走るって結構目立ちます。そして、当時トゥーリアという高級ディスコがあって、そこの
入り口には、毛皮のコートを着たホスト風の男子がいて、そこの前を行ったり来たりする
のがすごく恥ずかしかったことを覚えてる。

後に、このディスコで、照明機材が落下して、死亡者3名と負傷者14名を
出す大惨事事故が起きます。

トゥーリア 六本木ディスコ 照明落下事故
https://disco-memory.net/155.html

 

どんなにキツくても楽しまなきゃ、写真スタジオ業務なんて地獄だと思う。

アートセンタースタジオでは、毎年4月に30人以上の、新卒新入社員が入社してきていました。
みんなキツ過ぎてやめちゃうんだよね。4月の春から始まり、夏前には半分15人いないくらい
になり、10月くらいには、2〜3人しか残っていない。

そんな世界で、僕の場合は中途採用(10月入社)だったので、人がいない頃。右も左も分から
ない状態で、入社してから3週間後にはスタジオに1人で入れられた。とにかく分からない事だら
けだったから、カメラマンに

「○○持ってきて!」

と言われれば、機材庫ではなくオフィスに走り、

○○ってなんですか?」

と聞きに行ってた。笑
だから、当時の僕は、常に走ってたと言う思い出が残ってる。

当時、他のスタジオでは、最低3時間貸しをしていたのですが、ここアートセンターは、
他社がやっていない【スタジオ1時間貸し】をしていたので、他社よりタレントやアイドル
の撮影がすごく多かった。

特に、光GENJIは、毎日会ってたかな。笑

スタジオの入り時間が、夜中の1時とか2時も当たり前にあった。とにかく24時間稼働
のスタジオでした。

そこまで忙しいと、必ず起こる現象は寝不足。
3日で2時間睡眠とか、あたり前でしたね。そこまで寝不足が続くと、廊下を走っていても、
頭は寝てしまうのか、意識がモウロウとして、走っていてもまっすぐ走れず、壁にぶつかっ
たり、ライティングとレフ板の間に立ったまま寝てたり。。。 次に起こる現象は、ロレツが
回らなくなり、うまく喋れなくなる。

睡眠はホント大事です!

そう思うと、多忙のタレントや、アイドルはすごいよね。移動や空き時間は常に寝てなきゃ、
ホント身体がもたないよね。この業界は特に、好きじゃなきゃできないと思う。
この業界だけじゃないか。笑笑

そんな多忙のスタジオでも、色々と思い出はあります。駐車禁止エリアに止めてあった
車を、当時のチーフが”ガムテ―プ”でぐるぐる巻きにしたら、その車はヤクザの車だっ
て、大変なことになったりとか。今思えば 爆!!

マイケルジャクソンが、”バット”のプロモで日本初来日の時に、ポスターの撮影をしたの
も、ここスタジオアートセンターでした。その時、スタジオアシスタントとして僕が入ったん
ですよね。撮影が終わって握手をしたのを覚えてます。

忙しさにも慣れてきた頃、やっぱ遊びたくてねぇ。ついついサボリ癖が出ちゃって、給料
が出たら、4〜5日くらいはずる休みとかね。担当スタジオを持っている時でも、空き
時間にサボってマックに行ったり。。。

今でも、スタジオアートセンターOB会に参加したら、当時の話しは今でも出ます。
当時、最年少で入社したこともあって、「まぁ若いからね」とみんなに甘やかされてたか
ら、かなり調子に乗ってたねとか、話題が出てます。

 

1年半勤務したら、有名カメラをもらえる制度が
もたらした事件が勃発!

 

当時は、ある一定期間勤務(1年半)したら、ハッセルブラッド6×6(中判カメラ)を貰え
ると言う制度がありました。でもこの制度が、のちに問題になり、結局この制度が廃止
になってしまう。各貸しスタジオでやっていたこの制度は、毎月給料から、強制的に約
2万円程差し引かれて積立になります。

積立回数18回払ってカメラをもらうと言った仕組みだから、特に、がんばったからこ
れを差し上げます!といったものではない。でもこのカメラは、普通に買うと標準レン
ズが付いて40万円以上するカメラなので、ディスカウント価格で個もらえる感じですね。

この積立方法に問題があったんです。
実は、スタジオを途中で辞める人が出た場合、その人が積み立ててたお金は本人に
返金されず、スタジオで働いている他の人たちに、勤務年数の長い人順に%配当され
たんです。なので、積立て期間は1年半だけど、分配されるお金が多くなればなるほど、
積立期間も早まり、早くハッセルブラッド6×6(中判カメラ)をもらえるようになるんです。

 

そうなると当然起こる事といえば、いじめ ですよね。

 

入社して、6~7ヶ月でいじめて辞めさす。
いろいろなスタジオでもいじめがあったみたいですね。でも、スタジオアートセンターでは
なかったと思うけど。。。 きっと。 他のスタジオでは、7〜8ヶ月働いた人をいじめてや
めさせるといったケースが多かったみたい。女の子の場合は、レイプとかもあったらしい。
なのでこの時期に、女の子のスタジオ勤務は22時までといった決まりもできた。

そしていじめもエスカレートした挙句、某有名スタジオの入り口に登坂がありますが、
そこを台車に乗せて上から降下させ死者が出たり、照明を付ける昇降バーにくくりつ
けたりといったいじめが多くなり、結局この制度は中止になりました。

こんな感じで、僕の場合はいじめはなかったと思うんだけど(気付いてなかっただけか
もしれないけど)、最初は俳優志望で、何を間違えたか、撮影スタジオでスタジオマンと
して働き始めましたが、覚えなきゃいけない事はしっかり覚えました。

 

そしてこの段階から、スタジオライティングから、スタジオワークまで、様々なスチュエー
ションに対応できる撮影の”引き出し”を作り始めていました。ここでの経験、そして学ん
だ事は、のちのカメラマン人生に大いに役立ちました。

 

現場での経験と勉強法

学校でもある程度覚える事はできるけど、やっぱり一番勉強になるのは現場です。
最初は、照明の位置、角度、露出など全てノートに記載していました。
そして、休みの日に全く同じ照明を組んでマネしてましたね。

真似をする事で、更にライティングの役割を掘り下げ知る事ができる。

下手のライトの明るさ。

上手のライトの明るさ。

メイン光と、サブ光の露出差。

被写体との距離。

目の中のキャッチライトのカタチ。

 

最初から、自分なりの照明を作ることを考えるのではなく、とにかく真似をする事が
一番勉強になります。照明の真似をして、写真の画角も好きな写真家の真似をして、
まず自分で撮ること。 同じ様に、キレイな写真を撮る事ができたら、ここから、自分
流(オリジナリティー)を加える。ライトの高さとか、明るさとか、距離とか、ライトを追
加するとかね。いろいろな事を試して、自分で「よしっ」と言うライトを作っていく。

終わりなき勉強がここからスタートするわけだけど、これが楽しいんだよね。

 

何度も言うけど、

好きじゃなきゃできないんだよね!

 

スタジオアシスタントの仕事はこんな感じです。
あとは、自分がどのように勉強していくか。
そして、どの分野の写真を撮りたいかを考えながら、勉強をする方向を決めてください。

スタジオで働くことは、僕はお勧めします。
後に、スタジオワークで学んだことは、役に立つことばかりです。
財産ですね。といっても過言ではないかも。

 

【スタジオアートセンター Facebook】※アートセンタの写真は全て Facebookから使用させていただいております。

https://www.facebook.com/Roppongi-ART-CENTER六本木-アートセンター-113196292033122/

 

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